The Dahlia

彼女たちを初めて見たのはファンダンゴにライブを見に行ったときでした。その日、僕には珍しくお酒を飲んでライブを見てて、めちゃくちゃに酔っ払いながら「すごいバンドに出会った」と思って声をかけた。僕は普段お酒を飲まないのでとてもお酒に弱く、デロデロになりながら「もうジッタリンジンも赤痢いらんわ！今日からThe Dahliaだけ聴く！」とかクダ巻きながらCDを買って、そしてその場でFUZZの事を売り込んでブッキングに誘わせてもらいました。FUZZ出演の日、一転シラフで音響の仕事をやりながら見るThe Dahliaは全然ジッタリンジンでも赤痢でもなくて、改めて酒に酔ってる時は何も喋らないほうがいいんだなと実感。記憶のなかのThe Dahliaよりずっとドラマチックで、ライブ中のどこを切り取っても映画のような雰囲気があった。曲はパンクロック然としたコードで進む。パンクロックのマナーを押さえながらパンクの枠を、あるいは音楽という枠すらも越えたドラマチックさがあるのは何故なんだろう。音楽と出会って、楽器を買って、バンドを組んで曲を作って、そしてステージに登っていく。そんなライブに至るまでの景色をも見てしまうライブに出会ったのは久しぶりです。お酒が感性にかけるバイアスは恐ろしい。全くもってジッタリンジンっぽくも赤痢っぽくもなかったけどもあの日「すごいバンドに出会った」という実感だけは間違ってなかったと思います。